海苔に含まれる栄養素について、専門家にお伺いしました。
海苔には、ビタミン、ミネラル、たんぱく質、水溶性の食物繊維が含まれていますが、そのビタミンの中の海苔に豊富に含まれる栄養素、「葉酸」の働きをご存じですか?
海苔には、良質なたんぱく質や食物繊維、葉酸が豊富に含まれていますが、その中でも注目を浴びる大切な栄養素「葉酸」について、専門家にお伺いしました。
葉酸とはどんな栄養素ですか。
葉酸はビタミンB群の一つで、ほうれん草から発見されました。
赤血球をつくるうえで重要な栄養素で、不足すると貧血を起こしやすくなることがわかっています。
特に女性に必要とされるのはなぜでしょう。
葉酸は女性に多い貧血を予防するとともに、胎児の正常な発達にとって大事な成分なので、妊娠を計画をしている女性、妊娠の可能性のある女性は、
葉酸の摂取を忘れずに心がけていただきたいと思います。
動脈硬化の予防にも役立つらしいですね。
葉酸が不足すると、動脈硬化の危険因子であるホモシステインが血液中に増加するリスクがあります。
生活習慣病予防の観点から、葉酸とビタミンB6、B12を充分に摂っていただきたいと思います。
葉酸はどのように摂るのが理想的ですか。
ほうれん草やアスパラガスなど緑黄色野菜に多く含まれていますが、茹でると葉酸が水に溶けだし、半分ほど減ってしまいます。
葉酸を最も含む食べ物は、実は、焼海苔で、日本人の食事摂取推定必要量は200ugと言われていますがこれは焼海苔でいうと板のり3.5枚にあたります。
朝食に海苔を食べることは、葉酸を効率よく取り込む、とても良い習慣で、海苔にはミネラル、食物繊維も豊富に含まれていますので、野菜などとうまく組み合わせて、
上手に葉酸を毎日摂っていただきたいですね。
私たち女子栄養大学では、さらに一日に葉酸400ugの摂取を勧めています。
海苔には様々な栄養素が含まれていますが、青背魚に豊富に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)も海苔から摂取することができます。
EPA(エイコサペンタエン酸)とは何か。そして、その効用と海苔の食べ方について、専門家にお聞きしました。
EPAとは、どんな成分でしょうか。
EPAは、マイワシ、サバなど青背魚の脂質部分に含まれるいる成分で、人の体内ではほとんど合成できません。
血液中の中性脂肪を低下させ、動脈硬化や高脂血症を予防する効果あります。
EPAはエスキモー人の食生活調査で見つかったとか?
魚やアザラシを主食としていたエスキモー人が白人に比べ、血栓症が大変少ないため、ある研究者が食生活を調べたところ、血液中に多くのEPAが含まれているのが発見されたのでした。
海苔にもEPAが含まれているのですか?
EPAは植物性食材にはほとんど含まれません。ところが、珍しいことに、100g中に1.2gのEPAが海苔には含まれています。
海苔の脂質は100g中3.7gですから、含有割合としては非常に高いですね。
海苔をどう食べるのが良いでしょうか。
魚を1日1回食べるのが理想ですが、魚離れが進んでいる現在の食生活の中では、海苔をプラス食材として活用すると良いと思います。
海苔には、食物繊維、ビタミンC、ベーターカロテン、ミネラルなど大切な栄養素が豊富に含まれていますので、和食だけでなく、ピザ、サラダ、ちょっとしたおつまみにすることで、非常にバランスの取れた食生活ができると思います。
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